活動報告

2017.01.04
【報告】 ダイバーシティ推進トップセミナー「社会の変革期における多様な人材の活用」

2016年12月16日(金)、伊都キャンパス椎木講堂にて、タイ王国の元外務大臣クラセ・チャナウォン氏を迎え、ダイバーシティ推進をテーマにした講演会を実施しました。同氏はアジアのノーベル賞と言われるラモン・マグサイサイ賞の受賞者。日本でも旭日大綬章を授与されています。

講演前にチャナウォン氏は、本学総長、理事、副理事と親睦を深めました。またタイ出身の本学教員、学生らと交流し激励しました。

 

講演には、本学部局長、学内外の教職員・学生など約70名が参加。開始の挨拶で、総長は、チャナウォン氏の講演に学び、学内一丸となってダイバーシティ促進に取り組んでいきたいと述べました。

チャナウォン氏は、医師として農村地域に派遣され医療センターの設立・運営をした経験、政治家としての経験、国際的な枠組みで活躍した経験等から、地域の様々な構成員の声を聴くこと、多様な人材を活用していくことの重要性を指摘。「ダイバーシティというのは本当に重要なもので、いわゆる違いと考えてもいい。違いは美しい。違いはアイディアをくれる。学びをくれる。違いがあるからこそ前に進むことができ、そしてまた教育も行うことができる。違いがなければ教育もない、違いがなければ前進もない」と述べました。



その後、高齢化や国際化が進む中、今後日本もますますダイバーシティに直面せざるを得ないだろうと日本社会の状況について触れ、多様な人材をまとめていくリーダーシップの在り方として、人を愛し、前向きな態度で向き合い、付加価値を与えていくこと、さらに“Listen, listen and listen.”と相手の考えを聴くことこそが非常に重要であると述べました。

講演後のディスカッションでは、インドネシア、中国、タイをはじめとする様々な国籍の参加者から、たくさんの質問やコメントが寄せられました。

 


​【主な質疑応答(趣旨)】

Q:異なったグループの間で対立が起こってしまう場合、どうマネジメントすればよいか。

A:私のオフィスでも対立は存在する。そういう際は、やはりリーダーシップが必要になってくる。対立を防ぐため、問題を解決するためのリーダーシップである。リーダー自身が、「異なった人たちがいることで自分の価値も増える」ということを理解する必要がある。また判断を急ぐ必要はなく、明日決断を下す必要があるなら今日は決断を下さないことも大切である。情報の欠如や性急な判断は、周囲の信頼を損ね、リーダーシップの喪失につながる可能性もある。

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Q:リーダーとして大切なのは、聴くこと、とにかく聴くことだと伺った。素晴らしいアドバイスだが、なかなか時間が取れない場合はどのようにすればよいのか。

A:もちろん、時間がないときもある。でも、態度次第では短い時間でも十分。きちんと相手をリスペクトし、その人を好きになれば、1~2分でも問題ない。ネガティブな態度とともに1時間接していても何にもならない。Attitude(態度)が非常に大切になってくると思う。

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Q:リーダーを作り出すことは可能なのか。それとも、リーダーの資質がある人を探さなければならないのか。

A:リーダーシップというものは、教えることはできない。しかし、人々がリーダーシップを学ぶ手助けをすることはできる。ただし、学び、訓練するためには時間もかかるし機会も必要である。すべての人が素晴らしいリーダーになり得ると思うので、皆さんも、ぜひ自身のリーダーシップを開発してほしい。


​(男女共同参画推進室 松永)

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