活動報告

2017.12.25
【報告】ダイバーシティ推進トップセミナーを開催しました

平成29年12月14日(木)、本学伊都キャンパス椎木講堂大会議室にて、部局長を主な対象としたダイバーシティ推進トップセミナー「日本におけるダイバーシティ推進と女性の管理職・専門職登用の課題」を開催しました。本セミナーは現在推進している文部科学省人材育成費補助事業「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ」の一環として実施したもので、今回で3回目の開催となります。


セミナーのご講演に先立ち、久保千春総長により、本学の取組状況と講師の山口一男氏の略歴が紹介されました。山口氏は1991年よりシカゴ大学社会学教授に着任され、2003年より経済産業研究所客員研究員を兼務されています。「ダイバーシティ―生きる力を学ぶ物語」「働き方の男女不平等―理論と実証分析」など、ダイバーシティやワークライフバランスに関する著書を多数執筆されています。


講演ではまず、日本において女性管理職の割合が著しく低いことがデータとともに示され、長時間労働の可否を管理職要件とすることや、総合職でなく一般職へ女性の多くを配置することなど、女性への間接差別的雇用慣行が女性の管理職登用の主な障害となっている、と述べられました。また専門職の女性割合に関しては、「教育・養育」や「医療・保健・看護」などの分野に偏っており、それらの分野では職業内男女賃金格差が大きく、それは女性への統計的差別とステレオタイプによる採用・配置が共に存在するときに生じやすいと指摘されました。


男女の機会の平等を考える上で特に留意すべきこととして、

(1)既存の制度を前提とした機会の平等は真の機会の平等ではないという認識が重要、
​(2)「与えられた機会がどのような基準で評価されるのか」に関し基準が男女で公平か否か、
(3)伝統的な男女の分業(夫は家計に、妻は家事育児に主に責任がある)を企業が雇用者とその家族に押し付けると、たとえ企業から見てそれが「女性に優しい」人事方針にみえても男女の機会の平等は実現できないこと、

の3点を挙げられました。


終了後のアンケートからも統計データに基づく御講演に説得力があったことがわかりました。最後に男女共同参画推進室副室長の玉田薫副理事より、講師へのお礼とダイバーシティ推進に向け心掛けることが紹介されました。

今回は学外の方も含め60名以上の参加があり、お忙しい中多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。来年度以降も同様のセミナーを開催する予定です。

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(男女共同参画推進室 春藤ゆう)

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