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2017.06.07 【報告】Gender Summit 10に参加しました

​ 平成29年5月25日(木)、26日(金)の2日間、一橋講堂(東京都千代田区)にて、国立研究開発法人科学技術振興機構、日本学術会議、Portia Ltd.が主催するGender Summit10が開催され、九州大学から若山正人(理事・副学長(研究・産学官連携担当))、杉山由恵(数理学研究院教授)、上瀧恵里子(男女共同参画推進室教授)および武内真美子(同准教授)、溝上顕子(歯学研究院講師)が参加しました。

 Gender Summitは、2011年に欧州委員会が中心となり発足し、欧州・米国に次いで、アフリカ、アジアでの開催が実現し、今回はじめて日本で開催されることになりました。

 アジア各国を中心に23か国、産学官の関係者をはじめ600名以上が参加した今大会は、「ジェンダーとダイバーシティ推進を通じた科学とイノベーションの向上」をテーマに開催され、1、ジェンダーの歴史と未来、2.アジアにおける深刻な問題への女性の貢献、3.ジェンダーに基づくイノベーション、4. 科学の社会的責任、の4つをテーマにしたプレナリーセッションおよび1.女性参画拡大により期待されるイノベーション上の利点の具体化、2.ダイバーシティ推進に係る評価手法の提示、3.スポーツにおける身体とジェンダー・サイエンスの推進、4.男女共同参画推進のための研究者情報の整備と活用、5.中等教育における女子学生の文理選択の健全化、6.男性・男子にとってのジェンダー平等の6つのテーマから成るパラレルセッションで構成されました。

 今大会では、特に女性の視点を含めた多様な視点を尊重し、ダイバーシティ推進、女性の参画拡大により何が期待されるかという課題を軸に、ダイバーシティによるイノベーションへの挑戦、研究分野としてのスポーツ、女性活躍を支える人材育成として女子中高生、男性の育成にも議論が及びました。
 男女の差を重要な要因と捉え研究とイノベーションの質の向上を目指すことによって、はじめて新たな価値が創出され持続的な科学技術の進歩が期待でき、男女の性差を考慮して研究開発を進めることによりはじめて全ての人に適したイノベーションの創出が可能となります。その具体的な方法として、研究者自身および研究内容の評価手法や、そのためのアカデミックな分野の情報の整備なども議論されました。
 いずれのセッションでも登壇者のプレゼンテーションのあとには、会場の参加者と活発な質疑応答が行われていたことがとても印象的でした。また、メインおよびサブ会場以外ではポスターとブースの出展が行われており、ジェンダー、サイエンス、イノベーションなどの分野から非常に興味深いテーマが報告されました。さらに、このようなセッション以外にも、初日には東京ドームホテルで夕食会が開催され、各国からの参加者が交流を深めるよい機会となりました。

 ジェンダーとダイバーシティ推進を通じて、人財が最大限に活用され、科学とイノベーションの向上によって、新たな価値が創出されることは持続的な社会に不可欠なことであり、そのために多様な分野の研究者がネットワークを構築することの重要性を改めて認識できた大会でした。

文責 男女共同参画推進室 武内真美子


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