活動報告

2022.05.13
【報告】第5回EAJジェンダーシンポジウム「イノベーションと多様性」が開催されました

令和4年5月6日(金)、日本工学アカデミー(以下EAJ)の主催で、第5回ジェンダーシンポジウム「イノベーションと多様性」が開催されました。本シンポジウムは、令和3年に本学が採択された「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(調査分析)」との共催で実施されたものです。当日は東北大学理事・副学長の小谷元子氏と、パブリックスピーカーで『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』の著者として著名な山口周氏を講演者に招き、「イノベーションと多様性」をキーワードに、日本社会が変わる極意について伺いました。

第一部の基調講演では、初めに小谷氏から「多様性は科学発展の駆動力」と題したお話がありました。日本ではいまだ諸外国と比べて女性研究者の割合が低く、職位が上がるにつれてその数は減少することが知られていますが、小谷氏は、科学のフロンティア形成にとって必要な駆動力となるダイナミズムは多様性から生まれると説明されました。

次に、山口氏から「クリエイティブ・アドバンテージ:創造性優位の経営とは」と題したお話がありました。山口氏は昭和と令和におけるマネジメントの違いを例に挙げながら、進むべき道が不透明で先の見えない現代では課題発見力・発想力こそが競争の鍵となると述べられました。また、組織の多様性とは、経営層のマネジメント変革力があって初めて強みになるとの説明がありました。

ご講演後には、講演者を交えた討論と質疑応答の時間が設けられました。小谷氏は博士課程の進学率の低下を挙げながら、組織のダイバーシティを推進するためには国際化が一番の近道であることや、優秀な若者の育成が重要な鍵となることを説明されました。また、山口氏は、個人の能力が適正に評価されるシステムを再構築することや、時には自分が個として尊重される場を求めて組織を抜け出し(Exit)揺さぶりをかけることも大切であると述べられました。

本シンポジウムを通じて、多様性への理解が中々進まない日本社会で今何が求められているのか、改めて考えるきっかけとなりました。


男女共同参画推進室 相良祥子

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