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2019.10.29 【報告】令和元年度馬出地区4部局合同男女共同参画FDが開催されました

 10月11日(金)、九州大学医学部百年講堂で、令和元年度馬出地区4部局合同男女共同参画FDが開催され、参加致しましたので報告をまとめます。医学研究院、歯学研究院、薬学研究院及び生体防御医学研究所の教職員を中心に125人の参加がありました。


 第1部では、本学男女共同参画推進室の上瀧恵里子教授から「九州大学における男女共同参画推進の取組み~ワーク・ライフバランス改革を中心に」と題して取組みが紹介されました。
最初に、日本における女性活躍に向けた施策を概観し、2015年の第4次男女共同参画基本計画において、初めて男性の働き方改革に言及したこと等について説明がありました。次に、九州大学の取り組みについて、ワーク・ライフバランスに向けた両立支援策や意識改革のためのセミナー等の紹介がありました。文部科学省補助事業と九州大学独自の施策により、研究補助者雇用支援や配偶者帯同雇用、育児シッター利用支援等のさまざまな支援策を実施していること、また、ワーキングファーザーの職場環境に関するセミナーの実施等、学内のワーク・ライフバランス改革を推進している状況が語られました。加えて、九州大学の男性教職員の両立・育児体験記やワークとライフに関する教職員の体験集、出産・育児や介護に関する学内制度についてまとめたハンドブック等の冊子も多数刊行し、学内のワーク・ライフバランスに関する意識啓発を進めていることを話されました。最後に、今後、女性研究者はじめ女性の活躍を促進するためには、男性中心型労働慣行の見直しが必要なこと、また、男性も家事や育児を見直す機会をもち、1人1人がワーク・ライフバランスを意識し、働きやすい職場環境を目指していくことの大切さについて話がありました。


 次に、事例発表として、九州大学医学研究院、歯学研究院、薬学研究院、生体防御医学研究所の助教3人、准教授1人の各先生から、それぞれの日常におけるワーク・ライフバランスについて報告がありました。育児休暇等を取得しながら、研究を続け、職場や家族の協力を得てワーク・ライフバランスを実現しているお話、また、業務の分散や効率化により労働時間を減らし、家庭での時間を確保したいというお話もありました。さらに、海外での研究生活の経験を通して、日本におけるワーク・ライフバランスについて考え、家庭、生活、仕事のバランスをどのように取るのか工夫しているお話や九州大学の研究補助者支援等を受けて、家庭と研究を両立している等、さまざまな視点からの貴重なご報告がありました。


 第2部のパネルディスカッションでは、進行の薬学研究院藤田雅俊教授から病児保育やベビーシッターの利用について各登壇者に質問がありました。登壇者からは病児保育をよく利用していること、しかし、混みあうことも多いので代替を考える必要があるが、ベビーシッターの利用はハードルが高いと考えている旨のお話がありました。それに対して、上瀧教授からは、すでにベビーシッターを利用されている教職員からは、最初はハードルが高いけれども、気持ちを切り替え信頼してベビーシッターに預けている例もあるという事例が紹介されました。また、医学領域では、一度現場を離れてしまうと技術の進歩が速く、戻りたくても中々難しい面があるため、人材バンク等の活用が望ましいとの提案もありました。さらに、九州大学の職場環境について、どこを変えたらよいのかという質問に対して、登壇者からは、ここを変えるという視点に加えて、1人1人がワーク・ライフバランスについて考え、どのように変えていくのかという意識を持つことが大事であるというお話がありました。


 今回で4回目となる合同FDは、九州大学の働き方改革、男女共同参画についての先進的な取組、馬出地区の4部局の研究者のワーク・ライフバランスの報告を通じて、新たな情報と課題を共有できました。ワーク・ライフバランスの支援や制度について、今後も男女共同参画推進室では積極的に情報発信を行ってまいります。


男女共同参画推進室   小川 真理子