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2020.09.11 【報告】長月ランチタイム交流会「『災害対応力』をあげる男女共同参画」を開催しました

 令和2年9月10日(木)長月ランチタイム交流会を開催しました。テーマは「『災害対応力』をあげる男女共同参画」です。参加人数は、 スタッフも含め15人でした。


 附属図書館の石田栄美准教授司会の下、男女共同参画推進室の杉本めぐみ准教授から災害時におけるジェンダーや多様性に配慮したケアの重要性について、過去の事例報告に基づく話がありました。2016年に発生した熊本地震では、不慣れな避難所での炊き出しや掃除の負担が女性に集中したため、男女間で適切に役割分担を行うことが重要であり、また、男女別のトイレや着替えスペースの設置、乳幼児を抱える母親が安心して休むことのできるスペースの確保など、個々の避難者のニーズに応じた細やかなケアが求められていると説明がありました。さらに、災害時には女性や幼い子どもが避難所で性被害に遭う事例が数多く報告されていますが、2017年の九州北部地方豪雨では熊本地震を教訓にして避難所に性被害防止啓発ポスターを掲示するなど、過去の事例に学んだ有効な対策が取られたと報告がありました。


 次に、質疑応答では学生や教職員から多くの質問が寄せられました。杉本准教授からは、外国人留学生を含む災害弱者やマイノリティに対する配慮、災害時における自治体と民間企業の連携など、具体例を交えた話がありました。また、実際に災害ボランティアとして活動した経験のある学生から、行政による被災者の支援と、被災者自身による自発的な復興や自立のバランスをどう考えるかという質問が上がりました。これに対して、杉本准教授は「避難所を管理するのは『行政(地方自治体)』だが、運営するのは避難所で暮らす『被災者』である」「行政に任せてばかりでは、危機管理担当部署の自治体職員は男性が多いため女性の視点が少なく(2017年九州の各自治体危機管理職員平均数8.13人に対し女性職員0.71人)、どうしても男性が優位になりやすい傾向がある。避難所では男女間で適切な役割分担を行うことが重要」と回答しました。さらに、「災害復興の現場では、『よそ者』『若者』『馬鹿者』は重要なキーパーソンになりうる。若い皆さんが積極的に現場をリードしてほしい」との期待が寄せられました。


 男女共同参画推進室では、今後もオンラインイベントを企画・実施してまいります。次回のランチタイム交流会は11月に開催予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。



男女共同参画推進室 相良祥子