KYUSHU UNIVERSITY 九州大学男女共同参画推進室 Office for the Promotion of Gender Equality, Kyushu University

　令和4年1月17日（月）12：10～13：00に睦月ランチタイム交流会を開催しました。今回は本学医学研究院の中尾智博教授に講師をお願いし、新型コロナ禍で生じているメンタルヘルスの問題についてお話を伺いました。当日は感染拡大防止のためオンラインでの開催となりましたが、約20名の方々にご参加いただきました。

　まず、中尾教授から、新型コロナ禍でメンタルヘルスの問題が急増する背景について説明いただきました。新型コロナ禍では感染症そのものに対する恐怖のほか、ソーシャル・ディスタンシングによる孤独・孤立や社会活動の縮小、経済的困窮、将来への不安など、様々な要因が複合的に絡んでおり、多くの人々が軽度から重度まで何らかのメンタルヘルスの問題を抱えているとのお話がありました。また、日本における自殺者数についても、直近の十数年間で年間３万人から2万人まで減少してきていましたが、新型コロナ禍で再び増加に転じており、特に若年層の女性を中心にその傾向が顕著であるデータが示されました。

　次に、こうしたメンタルヘルス問題をサポートするアプローチとして、2021年から試験運用中のウェブサイト「KOKOROBO（＊）」について紹介がありました。これは、簡易チェックの結果に応じて、軽症～中等症の人にはAIを活用したチャットボットによる認知行動療法プログラムを活用し、それ以上の重症の人には心理士によるオンライン相談を提供するというシステムです。新型コロナ禍では、接触による感染への不安から医療へのアクセスを控える傾向が高くなりますが、同ウェブサイトの開発によって、こうした不安を払しょくしながら、患者のニーズに応じた適切なサポートを提供することが可能になるとの説明がありました。

　さらに、新型コロナ禍でのメンタルヘルスを予防する取組として、生活リズムを整えることや良質な睡眠をとること、アルコールと上手に付き合うことなど、普段の生活で心掛けていくべきポイントについてアドバイスがありました。
　最後に、ご講演後の質疑応答の時間では、参加者から活発な質問が寄せられました。
　男女共同参画推進室では、今後もオンライン・イベントを企画・実施してまいります。皆さまのご参加をお待ちしております。

　　　＊「KOKOROBO（ココロボ）」紹介サイト　 https://www.kokorobo.jp/

男女共同参画推進室　 相良祥子

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