基金のご案内

ダイバーシティの重要性が広く社会に認識される中、その基礎となるべき男女共同参画の取組は、いうまでもなく社会全体で進めていかなければならない大きな課題です。九州大学においても、平成16 年に男女共同参画推進室を設置して以来、大学独自の経費に加え、文部科学省補助事業を活用し、3つの保育施設をはじめとする環境整備、女性教員数増加・活躍促進、男女双方の意識改革のための活動を進めてまいりました。2019 年にはこれまでの事業実績が認められ、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 第1回「輝く女性研究者活躍推進賞(ジュン・アシダ賞)」を受賞し、女性研究者支援のフロントランナーとして認められるに至っています。

しかし、日本の男女共同参画は、2020 年世界経済フォーラム(ダボス会議)におけるジェンダー・ギャップ指数が152 か国中121 位であるなど、未だ国際社会の中で大きく立ち遅れた状況にあり、大幅な改革が急務です。大学が関わる研究教育の分野においても、女子学生の大学および大学院への進学率向上や、30%にも満たない女性教員の確保など、未だ多くの重要な課題が解決されないまま残されています。

本プロジェクトでは、九州大学が今後も優秀かつ多様な学生ならびに若手研究者の確保を図るとともに、社会全体の女性活躍推進に向けた独創的、先導的な活動を進められるよう、皆様からのご支援を広く募ります。また男女共同参画推進のための支援枠の対象を、女性のみから男性にも広げ、女性研究者が長期的に最前線で活躍できるよう、男女双方に対する育児・介護等の両立支援や、男女共同参画に関わる意識改革のための活動を進めます。

なお、本基金は平成30年度に創設した「九州大学若手女性研究者・女子大学院生優秀研究者賞(伊藤早苗賞)」にも活用させていただきます。伊藤早苗賞につきましては男女共同参画推進室のホームページをご参照ください。

2021年4月1日