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伊藤早苗記念基金事業

九州大学QURIESプログラム

九州大学では、令和3年度に女子高校生を対象とした理系インターンシップ制度「QURIESプログラム」を新設しました。 本プログラムは、大学進学前の意欲に溢れる女子高校生を対象とし、本学の先端的な研究環境の一端に触れる機会を提供するとともに、本学理系分野の教員をメンターとして、座学では得られない刺激的な研究活動の体験の場を提供することで、学術研究の将来を担う優秀な若手理系女性研究者・技術者が多く輩出されるよう、支援を行うことを目的としています。

ご挨拶

QURIESプログラムは本学の女子高校生向けの理工系研究インターンシップです。QURIESプログラムという名称は、Q(Kyushu)University Research Internship in Engineering and Science(九州大学理工系研究インターンシップ)の頭文字ですが、伊藤早苗先生が幼い頃に感銘を受け、その後の飛躍のトリガーとなった女性科学者のパイオニア、マリ・キュリー(Curie)の名前とのダブルミーニングとなっています。

このインターンシップが企画されたのは、本学の名誉教授であった故伊藤早苗元理事のご遺族から、若い人たちが大学進学前に理系分野の研究の面白さ、楽しさを体験する場を創るサポートをしたい、という申し出があった事をきっかけとしています。伊藤早苗先生は、小学生の頃に読んだキュリー夫人の伝記に大いに心動かされ、東京大学の物理学科に進学し、その後、プラズマ乱流物理学の分野で世界的に活躍をされた方でした。また、伊藤早苗先生は学生や若手研究者の育成に尽力された教育者でもありました。

伊藤先生が幼い頃に読んだ本から科学に対する強い憧れを育てたように、このインターンシップの体験が感受性豊かな女子高校生にとって、知的好奇心を高め、新しい世界にチャレンジするトリガーとなる事を切に祈念致します。

本プログラムを実施するに当たり、関係各位のご協力に心より御礼申し上げるとともに、引き続きご支援賜りますようお願い致します。

萩島 理

九州大学 副理事 ダイバーシティ担当 萩島 理
(本プログラム実施担当)


制度創設の背景

我が国の女性の理系研究者・技術者の割合は依然として低い水準にあり、今後、本格的な人口減少社会を迎える中で、イノベーションの創出による社会の課題解決のためにも、女性研究者・技術者の活躍を推進することは急務です。しかし、その母集団となる女子学生、特に理工系分野を学ぶ女子学生の割合は諸外国に比べ未だ低い水準であり、大学進学前の女子生徒等に対する理工系分野に関する情報発信と、それによる進路選択の促進の必要性が指摘されてきました。

これに対し本学は、未来の課題に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究・教育拠点となることを基本理念として、様々な施策を通じて男女共同参画及び国際的視点を含めたダイバーシティを尊重する教育・研究の推進を行ってきました。特に、本学の男女共同参画推進については、本学の元理事・副学長、元名誉教授である伊藤早苗氏(故人)には、男女共同参画推進室長として多大なご尽力を頂いた事に加え、ご遺族からの寄附により、令和元年度には伊藤早苗記念基金を創設し、女性研究者や女子大学院生の活動に対する支援を行っております。

伊藤早苗氏は、プラズマ乱流物理学の分野の第一人者として活躍され、仁科記念賞、日本IBM科学賞、Hunboldt Research Awardなど多数の受賞歴があります。また、その卓越した研究を通じて本学では多数の学生・若手研究者の育成にもご尽力されました。こうした伊藤早苗氏の功績の上で、本学が氏の後を継ぐような優秀な女性の科学者・技術者の育成に尽力して欲しいと、ご遺族からの要望を受け、伊藤早苗記念基金の新たな事業として、女子高校生を対象とした理系インターンシップ制度を令和3年度に創設いたしました。


本プログラムを通じ、本学は広く女子高校生の理系分野への興味・関心を喚起して裾野を拡大し、学術研究の将来を担う優秀な若手理系女性研究者・技術者を長期的に育成し、九州から世界へ羽ばたく女性を一人でも多く輩出するよう支援して参ります。




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